記事の監修
代表取締役社長/マネジメント・アーキテクト
「マネジメントに生かす17の原理・原則」「研ぎ澄ます経営」著者村上 隆昭
株会会社村上経営研究所
代表取締役社長/マネジメント・アーキテクト
「マネジメントに生かす17の原理・原則」「研ぎ澄ます経営」著者村上 隆昭
経営コンサルタントとして26年以上、人材育成・組織開発・経営者支援に携わる。建築士としての構造思考と感情・行動の知見を融合し、「人と企業の生かせいのち」を軸に、本質的な意思決定と持続的な組織成長を支援している。

管理職を置いているのに、人が育たない。
指示や管理はしているはずなのに、組織が思うように動かない。
その背景には、リーダーシップとマネジメントの違いが整理されないまま、両者が混同されている状況が見られることがあります。
限られた人材と時間の中で成果を出すためには、それぞれの役割を理解し、状況に応じて使い分ける視点が重要になります。
本記事では、中小企業の経営者が人材育成と組織づくりを前に進めるために、リーダーシップとマネジメントの違いを構造的に整理し、実務に落とし込む考え方を段階的にまとめていきます。
実際の現場を思い浮かべながら読み進めていただくことで、
今の組織で何が起きているのかが、より整理しやすくなるはずです。
「リーダーシップ」と「マネジメント」とは

リーダーシップとは
リーダーシップは、人や組織を変化に導く力と捉えられます。
現状を前提にするのではなく、目指す方向や意味を示し、人の意識や行動を動かしていく役割があります。
立場や役職に関係なく発揮される場面もあり、経営者だけでなく現場の管理職や担当者にも求められることがあります。
変化が多い環境では、特に重要性が高まる傾向があります。
マネジメントとは
マネジメントは、業務や成果を安定的に生み出すための力と考えられます。
計画を立て、進捗を管理し、決められた目標を確実に達成していく役割を担います。
業務の再現性や効率を高めることが中心となり、組織としての土台を整える働きがあります。
日々の業務を回し続けるために欠かせない機能といえます。
人材育成において両者が補完関係にある
人材育成の場面では、どちらか一方だけでは十分とは言い切れません。
方向性を示すリーダーシップと、行動を支えるマネジメントが組み合わさることで、成長が促されやすくなります。
変化を促しながらも、日常業務を安定させる。
この両立が、人が育ち続ける組織づくりにつながっていく可能性があります。
自社では、リーダーシップとマネジメントの役割が、どのように使い分けられている状況でしょうか。
「リーダーシップ」と「マネジメント」の違い
目的
リーダーシップの目的は、変化を生み出すことにあります。
将来に向けた方向性を示し、人や組織を動かしていくことが中心になります。
一方でマネジメントの目的は、成果を安定して出し続けることです。
既に決まっている目標や業務を、確実に実行することが重視されます。
変えるための力と、維持するための力。
この目的の違いが、両者を分ける大きなポイントになります。
例えば、新しい挑戦や方向転換が必要な場面ではリーダーシップが求められますが、
日々の業務を確実に回す場面では、マネジメントの力が成果を左右します。
アプローチ
リーダーシップは、問いかけや意味づけを通じて人の内側に働きかけます。
納得感や共感を生みながら、自発的な行動を引き出す傾向があります。
マネジメントは、仕組みやルールによって行動を整えていきます。
計画、手順、評価といった要素を使い、行動を安定させていきます。
感情や意識に働きかけるか、行動や業務を整えるか。
アプローチの違いが混同を生みやすくしています。
一つの目安として、
「人の意識や納得を変えたいのか」、「行動の精度や再現性を高めたいのか」
を考えると、どちらの関わり方が必要か判断しやすくなります。
対象
リーダーシップの主な対象は、人の意識や価値観です。
個人だけでなく、チームや組織全体に向けて発揮されることがあります。
マネジメントの対象は、業務やプロセス、成果です。
タスクや数値、進捗といった具体的な要素が中心になります。
何に向き合っているのかを整理すると、役割の違いが見えやすくなります。
時間軸
リーダーシップは、中長期の視点で語られることが多くなります。
将来の姿や方向性を見据えた関わり方が求められます。
マネジメントは、短期から中期の視点が中心になります。
日々の業務や当面の目標を確実に進める役割があります。
時間軸の違いを意識すると、場面ごとの使い分けがしやすくなります。
今の自社では、変える力と維持する力のどちらが強く求められている状況でしょうか。
この違いを意識せずに関わると、中長期の話をしているつもりでも、
現場では短期の指示として受け取られてしまうことがあります。
なぜ「リーダーシップ」と「マネジメント」の使い分けが重要なのか

目標達成を加速させるため
目標に向かって動いていても、思うように進まない場面は少なくありません。
その背景には、場面に合わない関わり方が選ばれている可能性があります。
変化や挑戦が求められる局面では、リーダーシップが力を発揮しやすくなります。
一方で、実行段階ではマネジメントによる整理や管理が欠かせません。
状況に応じて使い分けることで、目標達成までのスピードと質が高まりやすくなります。
組織をつくる力と維持する力が必要なため
組織は、つくる力と維持する力の両方があって成り立ちます。
リーダーシップは、新しい方向性を示し、人をまとめていく役割があります。
マネジメントは、決まった仕組みやルールを回し続ける役割を担います。
どちらかに偏ると、組織は不安定になりやすくなります。
両者を意識的に使い分けることが、組織の安定と成長につながっていきます。
混同すると人材育成が停滞してしまうため
リーダーシップとマネジメントを混同すると、育成が進みにくくなることがあります。
指示や管理だけが強まり、本人の主体性が育ちにくくなるケースが見られます。
逆に、方向性だけを示して支援が不足すると、行動に迷いが生じやすくなります。
結果として、期待する成長が起こりにくくなります。
本人は頑張っているつもりでも、「何を期待されているのか分からない」状態になってしまうと、
成長の方向性を見失いやすくなります。
役割を整理することで、育成の関わり方も明確になっていきます。
自社の人材育成では、使い分けが意識されている場面はどの程度あるでしょうか。
リーダーシップとマネジメントに求められるスキル

リーダーシップに求められるスキル
リーダーシップを発揮するためには、方向性を言葉にする力が欠かせません。
何を目指すのか、なぜ取り組むのかを伝えることで、人の行動がそろいやすくなります。
また、相手の考えや感情を受け止める姿勢も重要になります。
一方的に引っ張るのではなく、対話を通じて納得をつくる関わり方が求められます。
変化を前に進めるためには、状況を見極めながら関わり方を調整する力も必要になります。
マネジメントに求められるスキル
マネジメントでは、業務を構造的に整理する力が求められます。
目標を分解し、手順や役割を明確にすることで、行動の迷いが減っていきます。
進捗を把握し、必要に応じて調整する力も重要です。
問題が起きたときに早めに気づき、手を打つことで成果の安定につながります。
日常業務を回し続けるための基盤をつくる力が、マネジメントの中心になります。
両者に共通して必要なスキル
リーダーシップとマネジメントのどちらにも、相手を理解しようとする姿勢が欠かせません。
状況や立場を踏まえて関わることで、信頼関係が築かれやすくなります。
また、自分自身を振り返る力も共通して求められます。
関わり方が適切だったかを見直すことで、次の行動が改善されていきます。
自社の管理職には、どのスキルが強く、どのスキルが不足している状況でしょうか。
人が育つ組織をつくるための人材育成の進め方

OJTとOff-JTを目的別に使い分ける
人材育成では、OJTとOff-JTを目的に応じて使い分ける視点が大切になります。
日常業務の中で経験を積むOJTは、実務力を高めやすい特徴があります。
一方でOff-JTは、業務から一度離れて考え方や知識を整理する場になります。
役割理解や視野を広げる目的では、効果を発揮しやすくなります。
何を身につけたいのかを整理した上で選ぶことで、育成の納得感が高まります。
1on1やプロジェクトで成長を見える化する
成長は、本人にも周囲にも見えにくいことがあります。
1on1やプロジェクトを通じて、成長の過程を言葉にする機会をつくることが役立ちます。
日々の気づきや課題を共有することで、学びが整理されやすくなります。
結果だけでなく、取り組み方に目を向けることも重要になります。
成長が見える形になることで、次の挑戦につながりやすくなります。
評価とフィードバックで成長を次につなげる
評価は、結果を判定するためだけのものではありません。
フィードバックと組み合わせることで、次の行動を考える材料になります。
良かった点と改善点を整理し、期待を言葉にすることで、方向性が明確になります。
一方的な指摘にならないよう、対話の形を意識することが大切です。
育成の視点を持った評価が、成長の循環を生み出していきます。
自社では、育成につながる仕組みとして、どの取り組みが機能しているでしょうか。
人材育成は「設計」と「伴走」で成果が変わる

企業の状況に合った育成設計が必要になる
中小企業では、人材育成が場当たり的になりやすい傾向があります。
その結果、「その都度対応しているつもりなのに、育っている実感が持てない」という状態に陥ることも少なくありません。
目の前の業務を優先する中で、育成の全体像が描かれないまま進むこともあります。
しかし、企業ごとに人員構成や事業フェーズは異なります。
そのため、一般的な施策をそのまま当てはめても、成果につながりにくい場合があります。
現状と目指す姿を整理した上で設計することで、育成の方向性が見えやすくなります。
第三者の視点により育成が前に進む
社内だけで育成を進めていると、視点が固定化しやすくなります。
期待や評価が曖昧になり、育成の手応えを感じにくくなることもあります。
第三者の視点が入ることで、課題が整理されやすくなります。
感情や立場から距離を置いた助言が、判断を後押しする場面もあります。
伴走する存在がいることで、育成を継続しやすくなる可能性があります。
自社の人材育成は、設計と振り返りが十分に行われている状況でしょうか。
日々の業務に追われていると、組織や人材について考える時間は、どうしても後回しになりがちです。
だからこそ、考えを整理する“きっかけ”を外に持つことが、結果的に経営判断を楽にすることもあります。
人材育成・組織改革なら「村上経営研究所」へ
人材育成や組織づくりは、考え方を理解しただけでは前に進みにくいテーマです。
自社の状況に合わせて整理し、実行し、振り返る流れが必要になります。
村上経営研究所では、中小企業の経営者と同じ目線に立ちながら、
リーダーシップとマネジメントの使い分けを軸にした人材育成と組織改革を支援しています。
制度や理論を押し付けるのではなく、
現場で実行できる形に落とし込み、継続できる仕組みづくりを重視しています。
人が育ち、組織が安定して成果を出し続ける状態を目指す中で、
伴走する存在として関わることを大切にしています。
自社だけで抱え込まず、外部の視点を取り入れる選択肢は、
今の課題を整理するきっかけになるかもしれません。
今の組織課題について、誰と、どのように向き合っていく選択が考えられるでしょうか。
まとめ

リーダーシップとマネジメントは、似ている言葉でありながら役割は異なります。
変化を生み出す力と、成果を安定させる力は、それぞれが必要とされる場面が違います。
中小企業では、限られた人材と時間の中で両方を担うことが多くなります。
そのため、違いを理解し、意識的に使い分ける視点が重要になります。
人材育成や組織づくりが進みにくいと感じる場合、
個人の能力以前に、関わり方や設計の整理が必要なこともあります。
自社の状況に照らしながら、
どの場面で何が求められているのかを見直すことが、次の一歩につながっていきます。
人材育成の悩みを、先送りにしないために
人材育成や組織づくりの課題は、
大きな問題が起きてから向き合おうとすると、
時間も労力も多くかかってしまいます。
一方で、日常の中で少しずつ考えを整理しておくことで、
判断が楽になり、迷いが減る場面も増えていきます。
村上経営研究所のLINE公式では、
リーダーシップとマネジメントの使い分けや、
中小企業の現場で起こりやすい育成のつまずきを、
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