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【7つの秘訣】「育てているのに育たない…」人材育成の悩みを解決する本質的なアプローチとは?

はじめに

「人材育成に力を入れているのに、なぜか部下が育ってくれない…」

「研修もOJTもやっているのに、社員の成長が実感できない…」

そんな、誰にも言えないモヤモヤを抱えていませんか?

中小企業の経営者にとって、人材育成は会社の未来そのものを左右するとても重要なテーマです。

しかし現実には、「仕事を任せても、期待通りに動いてくれない」「時間をかけているのに、成長が見えない」と、頭を悩ませる声が少なくありません。

実は、その原因の多くは、育成の “やり方” ではなく、 “捉え方” にあるのかもしれません。

育成とは、単に知識やスキルを教えることではありません。

「人が自ら育っていく仕組みを、会社全体で整えること」です。

それは、企業文化や組織の空気、評価の仕組みとも深く関わっており、会社全体で向き合う視点が欠かせません。

この記事では、人材育成がうまくいかない背景を丁寧にひもときながら、本当に大切にしたい7つのことをお伝えします。

“人を育てること”に、もう一度本気で向き合いたいあなたへ。

組織の未来をつくるヒントが、きっと見つかるはずです。


そもそも「人材育成」とは?

「人材育成」と聞くと、研修やセミナーをイメージする方が多いかもしれませんね。

しかし、本来の人材育成とは、もっと深く、温かいものです。

単なる教育やスキルアップではなく、「自社の未来を担う大切な仲間を、意図と仕組みをもって育てていくプロセス」そのものを指します。

特に中小企業では、社員一人ひとりの力が、会社全体の雰囲気に大きく影響します。
だからこそ、社員が育つかどうかは、企業の成長にダイレクトに結びついているのです。

近年、人手不足や価値観の多様化が進み、多くの中小企業が 「採用したくてもできない」 という現実に直面しています。

「優秀な人材を採用する」ことが難しくなった今、すでに出会えた仲間、つまり 「今いる社員」をいかに大切に育てていくか が、経営の最重要課題になっています。

もし、人材育成を「現場任せ」や「OJT頼み」にしていると、どうしても教える人によって内容がバラバラになりがちです。

体系的な仕組みがなければ、育つ人と育たない人の差が生まれ、長い目で見ると“組織の弱さ”につながってしまいます。

今、私たちに求められているのは、「属人的な教育」から「仕組みによる育成」へのシフト。

人材育成は、企業が未来をつくるための、大切な戦略そのものです。


人材育成で本当に大切な7つのこと

ここからは、成果を生み出すために本当に大切にしたい、7つのポイントをご紹介します。

1. 会社の「想い」と育成をつなげる

なぜ、理念が育成に必要なのか?

育成がうまくいかない組織では、「何のために育てるのか」という目的が、意外なほど曖昧になっているケースが多くあります。

ただスキルアップのために研修を行うだけでは、育成の向かう先が定まらず、社員も「やらされ感」を拭えません。

だからこそ、育成の目的を経営理念としっかり結びつけることが、すべての土台になります。

経営理念とは、会社が大切にしている価値観や、社会における存在意義そのもの。

その理念に照らし合わせて、「私たちは、どんな仲間を育てたいのか」「社員にどんな在り方を目指してほしいのか」を明確にすることで、社員自身も「自分は何のために学ぶのか」を理解しやすくなります。

理念という“ブレない軸”があることで、育成方針に一貫性が生まれ、採用や評価、日々のコミュニケーションにも統一感が生まれます。

それはやがて、組織全体の信頼感や、温かい社風を育むことにつながっていくのです。

2. 「すぐ」ではなく「じっくり」育つのを待つ

中長期の視点が、人を安心させる

「すぐに成果が出ないから、この育成方法は意味がない」

そう判断してしまうのは、少し早いかもしれません。

ご存知の通り、人が育つのには時間がかかります。焦りは禁物です。

特に中小企業では、一人の成長がチーム全体の力に直結します。だからこそ、小さな成長も見逃さず、温かく見守る視点が何より大切になります。

1年後、3年後の成長した姿を想像しながら、短期的な結果よりも、中長期での変化を信じて評価する。

そんな姿勢が、経営者や管理職に求められています。

この「待つ姿勢」を持つことで、部下の少しつまずいた姿や、一時的なパフォーマンスの低下に一喜一憂せず、長期的な成長に期待を持てるようになります。

そして、この中長期の視点を社員本人とも共有することで、経営者・管理職・本人が同じゴールを目指せるようになり、結果的に離職率の低下やチームの一体感にもつながるのです。

3. 「教える」よりも「学びたくなる」環境をつくる

主役はあくまで、学ぶ本人

一方的に「教える」だけでは、知識はなかなかその人の血肉になりません。

表面的な知識の伝達だけではなく、本人の内側から「なぜだろう?」「どうすれば活かせるかな?」という主体性が生まれてこそ、本当の意味での成長が始まります。

大切なのは、「自ら課題を見つけ、学ぶ力を引き出す環境づくり」です。

たとえば、

  • 安易に答えを教えず、「君ならどうする?」と問いを立てる機会を設ける
  • 上司自身が、楽しそうに学んでいる姿を見せる
  • 学んだことを発表する場や、仲間と共有できる仕組みをつくる

こんなふうに、日常の中で「学ぶことが当たり前」になる仕掛けが求められます。

社内に「学ぶ風土」があるかどうかは、育成の成果に大きな差を生み、長期的な人材の質の向上に直結するのです。

4. フィードバックと承認を「当たり前」にする

成長を引き出す、魔法のひと言

人の成長を後押しするには、適切なフィードバックと、日常的な承認が欠かせません。

ここで重要なのは、単に結果だけを指摘するのではなく、「プロセス(過程)」に目を向けることです。

「資料作成、丁寧で助かったよ」

「あきらめずに挑戦したこと、ちゃんと見てたよ」

このように、「できたこと」や「挑戦したこと」を具体的に認めることで、その行動が習慣になり、本人の自信へとつながっていきます。

さらに、フィードバックは一方通行ではなく、双方向のコミュニケーションとして機能させることが大切です。

「なぜ、今回はうまくいったと思う?」「次やるとしたら、どんな工夫ができそう?」

こんなふうに、共に考えるプロセスが、社員の主体性や問題解決力を育むきっかけになります。

こうした承認と対話が当たり前に根づいている組織は、社員が安心して挑戦できる「心理的安全性」の高い土壌を育んでいると言えるでしょう。

5. 「現場の育て役」である管理職を育てる

管理職こそ、育成の要

育成の成果を左右するキーパーソンは、現場の管理職です。

しかし、管理職自身が「人を育てる技術」をきちんと学んでいないケースも少なくありません。

プレイヤーとしては優秀でも、いざ育成者として立ったとき、何をどう伝えればいいかわからずに悩む管理職は、実はとても多いのです。

  • 指導力(ティーチング)
  • 対話力(コーチング)
  • 承認力(フィードバック)

こうした育成スキルを高める研修などを提供することが、組織全体の育成力を底上げします。

さらに、管理職同士が育成に関する成功事例や悩みを共有する場を設けることで、社内に共通言語が生まれ、部下との関わり方にも一貫性が出てきます。

育成は、誰か一人の頑張りに頼るものではありません。管理職全体で“育てる文化”を共有することが、持続的な人材成長につながるのです。

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6. 「見えない成長」を「見える化」する

感覚的な「つもり」をなくす仕組み

「ちゃんと育成しているつもりなんだけど…」では、成果は見えません。

目標設定・ふりかえり・評価の仕組みを整えることで、育成の成果が“見える”ようになります。

たとえば、

  • 育成目標を「〇〇ができるようになる」といった具体的な行動レベルで設定する
  • 定期的な1on1やミーティングで、進捗を確認し合う
  • 数値だけでなく、本人が感じた気づきや学びも記録しておく

このように、成長の足跡を残していくことが大切です。

月ごとの成長レポートやスキルチェックリストを活用すれば、小さな変化も積み重ねとして把握でき、本人も上司も「確かに成長している」という実感を持つことができます。

感覚的な評価ではなく、根拠に基づいたフィードバックができるようになることで、上司と部下の信頼関係も、より一層深まるでしょう。

7. 人事評価と育成を連動させる

評価と育成の“ズレ”をなくす

人材育成と評価制度がバラバラだと、社員は混乱してしまいます。

「何を頑張れば評価されるんだろう?」

「会社は自分に何を期待しているんだろう?」

こうした状態では、努力の方向性がわからず、モチベーションを削いでしまいかねません。

育成と評価をセットで設計することが、社員の安心と信頼の土台になります。

たとえば、評価制度の中に「新しいことへの挑戦」「学びの継続性」「チームへの貢献」といった、数値化しにくい育成の観点も含めることで、より多面的な評価が可能になります。

目先の成果だけでなく、日々の成長努力を会社がしっかりと認めてくれる。

その安心感が、社員の内側から湧き出るモチベーションの維持につながります。

評価制度そのものが「人を育てる装置」として機能し始めると、社員の成長と会社の成長が自然と連動する、理想的なサイクルが生まれるのです。


具体的な人材育成の手法と進め方

育成手法は“目的と相性”で選ぶ

OJT、ワークショップ、eラーニングなど、育成には多くの手法があります。

大切なのは「どれが優れているか」ではなく「自社の目的や状況に合っているか」で選ぶことです。

  • 実務スキルを身につけるなら → OJT
  • 考え方や価値観を広げるなら → ワークショップ、対話の場
  • 専門知識を体系的に学ぶなら → eラーニング、外部研修

中小企業ではリソースの制約から一つの手法に頼りがちですが、これらを組み合わせることで、育成効果を最大化できます。

階層ごとの育成アプローチ例

  • 新人・若手社員向け
    まずは会社の理念やビジネスマナーといった土台を固め、段階的に業務スキルを積ませます。「1年目は覚える」「2年目は任せる」「3年目は考えて動く」といった、成長のステップを明確に示してあげることが安心につながります。
  • 中堅社員向け
    “言われたことをやる”から“意味を考えて行動する”への転換期。課題解決力や後輩指導といった、一つ上の視点を持たせるような機会が大切になります。
  • 管理職向け
    業務をこなす力だけでなく、メンバーを導くマネジメント力が重要です。部下との対話力、目標設定力など、“人を育てる力”そのものを体系的に育てていく必要があります。

「属人化」や「現場任せ」にしないために

中小企業の現場では、「先輩の背中を見て覚えろ」「できる人が教える」といった属人的な育成が、今も多く見られます。

しかし、これでは教える人によって成長度合いが大きく異なり、組織として安定しません。

大切なのは、 “誰が育てても、ある程度の水準が保たれる” 状態に近づけること。

そのために、育成計画書や業務マニュアル、指導記録といった 「育てるための共通の型」を用意し、属人化を防ぐ仕組みを整えることが非常に有効です。

育成の原点。揺るぎない「基本・基礎」の重要性

ここまで様々な育成手法をご紹介しましたが、どのプログラムを選択するにしても、絶対に忘れてはならないことがあります。 それは、すべての土台となる「基本・基礎」の徹底です。

家を建てる時に軟弱な土地に立派な家を建てられないのと同じで、ビジネスにおいても、揺るぎない土台がなければ、その上にスキルを積み上げることはできません。

応用やイノベーションは、盤石な基礎があってこそ生まれます。 一見、遠回りに思えるかもしれませんが、この土台づくりこそが、人の成長を加速させる最も確実な道なのです。

では、なぜそれほどまでに基本が重要なのでしょうか?

それは、うまくいかなくなった時の「拠り所」になるからです。 しっかりとした基本という「基準点」があれば、そこから何がズレているのか、どこを修正すればいいのかが明確になります。

逆に、この基準点が曖昧なままでは、問題が起きても「何がおかしくなったのか」「何が間違えているのか」がわからず、本人も教える側も迷子になってしまいます。

軌道修正しようにも、戻るべき場所が見当たらないのです。

たとえば、報連相(報告・連絡・相談)、時間管理、PDCAといった基本的なビジネススキル。

これらを最初に徹底して身につけさせることは、組織全体の共通言語となり、円滑なコミュニケーションの礎にもなります。

応用力や創造力を本当に伸ばしたいと願うなら、まずは基本を丁寧に、そして徹底して身につけさせること。
その大切さを、組織全体で共有することが何よりも重要です。


人材育成でよくある課題と、その解決策

「任せているのに育たない…」その本当の原因とは?

多くの経営者や管理職の方が抱えるこの悩み。

この背景には、「任せる=放任」になってしまっているケースが少なくありません。

育成において大切なのは、“任せる”と“支える”の絶妙なバランスです。

任せっぱなしでは、部下はどうしていいかわからず、不安の中で迷ってしまいます。

かといって、細かく口を出しすぎると、自分で考える力が育ちません。

本当の意味で「任せる」とは、期待するゴールを明確に伝えたうえで、適切なタイミングでフィードバックや支援を行う“対話型のプロセス”なのです。

そのためには、育成する側が「じっくり観察する力」と「関わるタイミングを見極める力」を磨く必要があります。

育成効果が見えない…組織で起きていること

「育成しているつもりなのに、効果が感じられない」

これは、育成が場当たり的になっているサインかもしれません。

  • ゴールが曖昧で、成長の基準が共有されていない
  • 忙しくて、振り返りやフィードバックの時間が取れていない
  • 教える人によって、指導内容や質がバラバラ

こうした状況では、学びが点となり、線につながっていきません。

そこで有効なのが、**「育成の『地図』と『足あと』づくり」**です。

育成計画という「地図」に基づいて、月ごとの到達目標を設定し、1on1や日報でその「足あと」を可視化する。

たったこれだけでも、成長の軌跡が見えやすくなり、「育てたつもり」を防ぐことができます。


育成の質を高める便利なフレームワーク

少し専門的に聞こえるかもしれませんが、育成の「視点」を整理するための便利な道具箱のようなものです。「こんな考え方があるんだ」と知っておくだけでも、関わり方が変わってきます。

1. 育成に必要な「3つの力」

人を育てるには、知識を教えるだけでなく、相手の可能性を信じ、引き出す姿勢が欠かせません。

  • 観察力: 言葉にならない変化(表情、声のトーンなど)に気づく力。
  • 質問力: 答えを教えるのではなく、本人に考えさせる問いかけができる力。(例:「どう感じた?」「もし自分だったら?」)
  • 承認力: 結果だけでなく、挑戦したプロセスを認め、言葉にして伝える力。

これらはすべて「対話」を通して磨かれます。育成は、信頼関係という土台の上でこそ花開くのです。

2. 育成の成果を測る「4つのレベル」(カークパトリックモデル)

育成の効果が見えないと感じたら、この4つの視点で整理してみましょう。

  • レベル1:反応(研修は満足だったか?)
  • レベル2:学習(知識やスキルは身についたか?)
  • レベル3:行動(職場で行動は変わったか?)
  • レベル4:成果(業績に貢献したか?)

「研修の満足度は高い(レベル1)けど、現場の行動が変わらない(レベル3)」といった課題が見え、次の打ち手を考えやすくなります。

(画像:カークパトリックモデルの4段階を分かりやすく図解したインフォグラフィック)

3. 行動につながる目標設定「SMART」

曖昧な目標を、具体的で行動可能なものに変えるためのフレームワークです。

  • S (Specific):具体的で
  • M (Measurable):測定可能で
  • A (Achievable):達成可能で
  • R (Relevant):関連性があり
  • T (Time-bound):期限が明確

この5つの視点で目標を立てることで、本人も上司も迷わずに行動できるようになります。

4. 成長の方向性を示す「カッツモデル」

役職ごとに、どんなスキルを伸ばすべきかを整理した考え方です。

  • テクニカルスキル(業務遂行力): 若手層で特に重要
  • ヒューマンスキル(対人関係力): 全ての層で重要
  • コンセプチュアルスキル(概念化能力): 管理職・経営層で特に重要

このモデルに沿って、「誰に・いつ・何を」伸ばすべきかを設計することで、育成が「勘と経験」から、「計画と支援」に変わっていきます。


人材育成・組織改革なら「村上経営研究所」へ

育成の悩みは、仕組みと対話で変えられます

ここまでお読みいただき、本当にありがとうございます。

「人材が育たない」「育てているのに手応えがない」

その背景には、属人的なやり方や、育成の“見えづらさ”があります。

しかし、それは決して「あなたに育てる力がないから」ではありません。

仕組みと関わり方を少し見直すだけで、驚くほど組織は変わります。

人は、誰かに“信じてもらいながら成長できる場”があって初めて、本来持っている力を安心して発揮できるのです。

村上経営研究所では、そんな「人が育ち、組織が変わる」ための土台づくりを、経営者や管理職の皆様に寄り添いながら支援しています。

  • 経営者・管理職向けパーソナルコンサルティング
  • 育成設計・評価制度の構築支援
  • リーダー・マネジメント研修
  • 組織の対話文化を育む1on1導入支援

最後に

人が育つ組織は、必ず強くなります。

なぜなら、社員が育つことで「安心して任せられる仲間」が増え、経営者やリーダーが、未来をつくるという“本来すべき仕事”にもっと集中できるようになるからです。

「そろそろ、本気で人材育成に向き合いたい」

「仕組みと風土、両方を見直したい」

もし、そう感じていただけたなら、ぜひ一度、あなたの想いをお聞かせください。

その一歩が、組織の未来を大きく変えるはずです。

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