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「育てているのに育たない」を変える!人材育成の目的を戦略とつなげる方法とは

Contents

1.なぜ今、中小企業に人材育成が重要なのか

技術革新・人材不足へ対応するため

近年、企業を取り巻く環境は
驚くほどのスピードで変化しています。

AI・DX・自動化などの技術革新が進み、
従来の業務のやり方では
通用しない時代に入りました。

一方で、人口減少、少子高齢化によって
人材の採用はますます難しくなっています。

「採れない」「続かない」「育たない」――
この三重苦に直面する中小企業は少なくありません。

こうした中で大切なのは、
新しい人材を “探す” より、今いる人を “育てる” 発想です。

継続的な採用活動を続けることはもちろん必要ですが、
それ以上に「社員が辞めていかない会社」をつくることが
経営の安定と成長の鍵になります。

社員が辞める理由の多くは、
給与や労働環境の問題もありますが、多くは人間関係にあります。

上司との関係、チームの雰囲気、
働く意味を感じられない職場など…。
こうした要因が、離職の大きな引き金になります。

だからこそ、今の時代の人材育成には
仕事のスキルアップだけではなく、
社会人としての基本や人間性、人格の向上が欠かせません。

お互いを尊重し合い、信頼でつながる職場は、
エンゲージメント(信頼・貢献意欲)を高め、
人が自然と定着する組織へと変わります。

つまり、人を育てることは、
会社を守る戦略そのものだといえます。

企業の競争力を強化し持続成長を実現するため

優れた人材を持つ企業は、
どんな不況の中でもチャンスを掴みます。

人材育成は単なる教育ではなく、
経営そのものを強くする基盤づくりです。

スキルと人格を兼ね備えた社員が増えれば、
現場の判断力が高まり、
チーム全体の生産性と信頼関係が深まります。

学び続ける文化を持つ組織は、
変化にしなやかに対応し、
長期的な成長を実現します。

だからこそ、
いまの時代における人材育成は、
経営戦略の中心に置くべき最重要テーマなのです。


2.人材育成の目的とは?

人材育成の目的は、
単にスキルを教えることではありません。

それは、企業の未来を守るための経営投資です。

採用が難しい時代だからこそ、
「人を育てる」ことが
企業の存続と成長を左右します。

育成のゴールは “できる人を増やす” ことではなく、
自ら考え、行動し、チームを動かせる人
育てることにあります。

人材育成には、3つの核心があります。

① 社員一人ひとりの「仕事力」を高めること

現場で成果を出すスキルだけでなく、
課題を発見し、改善につなげる
“考える力” を伸ばします。

スキルアップは、自信と成長実感を生み、
モチベーションを高めます。

② 「辞めない組織」をつくること

人が辞める理由の多くは、
人間関係や信頼の欠如です。

だからこそ、人材育成には
人間性・人格の成長支援が欠かせません。

チームで助け合い、
相手の立場を尊重できる社員を育てることで、
心理的安全性の高い職場が生まれます。

この “安心して挑戦できる文化” こそ、
離職を防ぎ、社員の定着率を高める力です。

③ 企業全体の「持続的成長」を支えること

社員が成長すれば、組織も成長します。
学びが循環する組織は、
変化の波に強く、次の挑戦へ進めます。

人材育成は、教育ではなく経営戦略の一部です。

「人を育てること」そのものが、
会社の利益・ブランド・信頼を
長期的に支える原動力となります。

つまり、
人材育成の最終的な目的は、
“人が育つ仕組み” をつくること。

その仕組みが回り始めたとき、
企業ははじめて「人が辞めない、伸び続ける会社」へと
変わります。


3.経営戦略に直結する人材育成の設計方法

人材育成は「人事の仕事」ではありません。
経営の方向性を実現するための戦略活動です。

つまり、育成の設計は
経営方針や中期計画と“連動しているか”が重要です。

「経営方針 → 人材要件 → 育成設計」の一貫性を持つ

まず押さえるべきは、
経営が描くビジョンと、人材育成の方向性を一致させること。

たとえば、
「新規事業を拡大したい」なら、
“挑戦できる人材” を育てる必要があります。

「既存顧客との信頼を深めたい」なら、
“誠実さと傾聴力を持つ人材” が不可欠です。

このように、会社はまず
「どんな人材像を求めているのか」を明確にする必要があります。

経営戦略の実現には、
どんな価値観・姿勢・能力を持つ人が必要なのか。
これを明文化することが、すべての出発点です。

次に大切なのは、
上司やリーダーが「育てる姿勢」を持つことです。

上司の仕事は、
部下や後輩が自分の仕事を
自信を持ってできるように導くことです。

そして、
自分よりも上手にできるように
“育て上げる” 意識を持つことです。

「自分のポジションを奪われる」と恐れるのではなく、
後輩が成長することを喜べる上司
組織の成長を支えます。

さらに、理想的なリーダーとは、
「一緒に働きたい」と思われる人です。

背中で信頼を見せ、
人として尊敬される存在であること。

つまり、
“あの先輩のようになりたい” と感じさせる人間力こそ、
最高の人材育成
です。

経営が方向性を示し、
リーダーが人を育て、
社員が自ら学び成長する。

その循環を設計することが、
人材育成を “戦略” に変える真の仕組みづくりです。


4.階層別にみる人材育成の目的

人材育成は、全員に同じ教育をすれば
うまくいくものではありません。

組織の中での役割や立場によって、
求められる意識・スキル・行動は異なります。

だからこそ、階層ごとに目的を明確にすること
育成を成功させるカギになります。

経営層|理念と文化を育てる

経営層の育成目的は、
「経営を学ぶ」ことではなく、
“文化をつくること” です。

経営者や経営幹部は、
言葉と行動で会社の価値観を体現し、
社員に「この会社で働きたい」と思わせる存在です。

また、変化の時代だからこそ、
経営層自身が学び続ける姿勢を見せることで、
組織に “学びの文化” が広がります。

理念を語り、行動で示す――
それが経営層の最大の人材育成です。

管理職|人を育てる人を育てる

管理職の目的は、
成果を出すだけではなく、
人を育てること。

上司の真の役割は、
部下が自分の力で成果を出せるように導くことです。

部下の成長を支え、
成功体験を積ませ、
自信を持たせる。

そして、
「自分よりも優れた人を育てる」ことが
管理職としての最大の貢献です。

さらに、
「この上司と一緒に仕事がしたい」と思われる存在になること。

そのためには、
言葉よりも背中で信頼を見せることが大切です。

管理職は、現場の文化をつくるリーダー。
彼らの姿勢が、組織全体の “育つ空気” を左右します。

若手社員|自走力と挑戦力を育てる

若手社員に求められるのは、
指示を待つのではなく、自ら考え行動する力です。

「自走力」とは、
自分で課題を見つけ、
学び、実行する力のこと。

この力を育てるには、
上司や先輩が “失敗を責めず、挑戦を支援する姿勢”
持つことが不可欠です。

また、若手自身にも、
「学び続ける意欲」と「素直さ」が求められます。

挑戦を通じて自信を積み重ねることで、
自ら成長し続ける人材へと変わっていきます。

階層ごとの育成目的を明確にし、
それぞれの立場が “自分の役割” を理解する。

この連鎖が生まれることで、
組織は「人が育つ仕組み」を手に入れます。


5.人材育成の目的を「成果」につなげる実践ステップ

人材育成は、
実施することが目的ではありません。

大切なのは、
学びが “成果” に変わる仕組みをつくること。

ここでは、育成を実効性のある戦略へと
転換するための3つのステップを紹介します。

現状の組織課題を分析する

最初のステップは、
現状を正しく把握すること。

「うちの社員には主体性がない」
「若手が育たない」
「管理職が忙しすぎて育成できない」。

こうした声の裏には、
必ず “構造的な原因” があります。

まずは、採用・育成・評価・定着といった
人材サイクル全体を見直してみましょう。

・何が機能していないのか
・どの階層にボトルネックがあるのか
・現場の声と経営の意図にズレはないか

課題の「仮説」を立てることが、
育成を戦略に変える第一歩です。

目的・ゴールを言語化し数値で可視化する

次に大切なのは、
「目的を言葉と数字で表す」こと。

たとえば、
「リーダーを育てたい」ではなく、
「3年後に〇名のリーダーを育成し、
現場判断を自走させる」と具体化します。

また、数値目標だけでなく、
“どんな行動変化を期待するか” も明確にします。

・社員が自分の考えを発言できるようになる
・上司がフィードバックを定期的に行う
・チームが目標を共有し合う

こうした行動レベルのゴール設定が、
育成を実際の行動変化へと導きます。

学びの設計と定着するまでのプロセスを作る

最後のステップは、
学びを職場に根づかせるプロセス設計です。

研修やトレーニングは、
学びの “きっかけ” にすぎません。

本当に大切なのは、
その後のフォローアップです。

学んだことを実践に移し、
上司がフィードバックし、
組織全体で共有する。

この“学びの循環”が生まれたとき、
人材育成は成果へと変わります。

そして、
成功事例を共有し、称賛し合うことで、
組織はさらに前進します。

人材育成を成果につなげるとは、
「育てる」を仕組み化し、継続させること。

育成が日常業務の中で自然に回り始めたとき、
会社は真の意味で “人が育つ組織” へと変わります。

6.目的別にみる人材育成の手法と選び方

人材育成にはさまざまな手法があります。
しかし、どんな手法を選ぶかは、
「育成の目的」によって変わります。

ここでは代表的な3つの手法、
OJT、Off-JT、組織開発アプローチを、
目的別に整理して解説します。

OJT|現場で育つ仕組みをつくる

OJT(On the Job Training)は、
現場での実務を通じて学ぶ育成方法です。

OJTの目的は、
“現場力” と “実践力” を高めること。

仕事の進め方や判断基準を
実際の業務の中で体得するため、
新人や若手の育成に特に効果的です。

ただし、OJTがうまく機能しない企業の多くは、
「教える人が育っていない」ことが原因です。

重要なのは、
OJT担当者の育成です。
つまり、「教える力」を持つ人を育てること。

また、単なる “やりながら覚えろ” ではなく、
計画的に進めることがポイントです。

・何を教えるのか(目的)
・どの順序で教えるのか(計画)
・どこまでできるようにするのか(目標)

これらを明確にしてこそ、
OJTは成果を生む学びの場になります。

② Off-JT|理念と実践をつなぐ研修を設計する

Off-JT(Off the Job Training)は、
現場を離れた環境で行う研修・セミナーのことです。

Off-JTの目的は、
考え方を整理し、視野を広げること。

経営理念やビジョンを再確認し、
自分の仕事の意味を再定義する機会になります。

特に中堅層や管理職には、
「現場に埋もれず、経営視点を持つ」
時間をつくることが重要です。

研修を設計するときのポイントは、
“理念と現場をつなぐテーマ設定” です。

例えば
・リーダーシップ研修 → 経営方針と行動をつなぐ
・マネジメント研修 → チーム成果を上げる仕組みを学ぶ
・コミュニケーション研修 → 信頼関係を深める具体策を習得

研修は “学ぶ場” で終わらせず、
職場で実践するプロセスまでを設計することが肝心です。

組織開発アプローチ|個人の成長を組織の成果に結びつける

OJTや研修を重ねても、
「現場が変わらない」「行動が続かない」
そんな課題を抱える企業は多いです。

その原因は、
個人の学びが組織に還元されていないこと。

そこで重要になるのが、
組織開発(Organization Development:OD)の考え方です。

組織開発とは、
個人・チーム・経営の関係性を整え、
“学びが続く仕組み” をつくるアプローチです。

具体的には、
・1on1ミーティングによる継続的対話
・部署を越えたプロジェクトチーム
・心理的安全性を育む会議運営
・ナレッジ共有や社内勉強会の仕組み化

これらを通じて、
学びを「個人の成長」から「組織の力」へ変換することができます。

学びが日常に溶け込み、
社員同士が教え合う風土が生まれたとき、
それはもう“教育”ではなく、“文化”です。

目的に応じて手法を組み合わせ、
社員が学び続けられる環境を整える。

それが、
持続的に人が育つ会社をつくる最大のポイントです。


7.育成を “やりっぱなし” にしないための仕組み

人材育成は、「やって終わり」になってしまうと、
どれだけ時間とお金をかけても成果につながりません。

大切なのは、
学びを定着させ、継続的に成長へとつなげる仕組み
会社全体でつくることです。

目的を経営層・現場双方で共有する

人材育成が形骸化する最大の原因は、
「目的の共有不足」です。

経営層は“なぜこの育成が必要なのか”を明確に語り、
現場は“自分たちに何を期待されているのか”を理解する。

この双方向の認識が一致していなければ、
育成は “義務的な研修” で終わってしまいます。

育成を定着させるためには、
経営層・管理職・社員の三位一体の対話が欠かせません。

全員が同じ方向を向いたとき、
育成は初めて“現場で生きる仕組み”に変わります。

成果を可視化し、育成をPDCAで回す

育成は “感覚” で進めてはいけません。
見える化と検証が欠かせないのです。

例えば
・1on1での対話記録
・スキルマップによる進捗確認
・行動評価やフィードバックのデータ化

こうした情報を活用し、
育成の進捗を定期的に振り返ることで、
次の打ち手を明確にできます。

Plan(計画)→ Do(実践)→ Check(確認)→ Act(改善)
このPDCAサイクルを止めずに回し続けることが、
育成を“仕組み化”する鍵です。

反復によって「学びを行動に変える」

もうひとつ重要なのは、反復の仕組みです。

一度学んで終わり――では、人は変わりません。
むしろ、時間とともに忘れていきます。

育成の定着には、
同じテーマを繰り返し学ぶ反復トレーニングが不可欠です。

たとえば、
リーダーシップやコミュニケーションといったテーマを
定期的に少しずつ角度を変えて扱う。

何度も繰り返す中で、
その都度、新しい気づきや発見を得られるように
設計することが大切です。

一度聞いて完璧にできる人などいません。
もしできたら “天才” です。

人は繰り返し学び、実践し、失敗し、
また学び直すことで初めて「使える力」になります。

反復こそが記憶を定着させ、
いざというときに発揮できる行動を生み出す。
それが “訓練” であり、“真の育成” です。

④ 失敗を恐れず挑戦できる職場づくりを進める

そして、反復の中で欠かせないのが、
失敗を許容する文化です。

人は失敗を通してしか、本当には成長できません。

上司がまず “失敗を受け入れる姿勢” を示し、
挑戦を奨励することで、
社員は安心して行動に移せます。

・うまくいかなかった経験を共有する
・挑戦した姿勢を評価する
・成長プロセスを称賛する

こうした取り組みが、
挑戦が当たり前の職場文化を育てます。

人材育成を形骸化させないためには、
「共有」+「反復」+「挑戦」の3つを
日常の中に組み込むこと。

この循環が回り続けたとき、
育成はイベントではなく文化となり、
人が育ち続ける組織へと変わります。


8.人材育成・組織開発なら「村上経営研究所」へ

「人が育たない」・・・
それは、どんな経営者にとっても
最も深く、そして重たい悩みです。

しかし本当の課題は、
“人が育つ仕組み”がまだ整っていないだけです。

人は本来、育つ力を持っています。
その力を引き出し、
成長を支える環境をつくることができれば、
どんな組織も必ず変わります。

村上経営研究所では、
中小企業の現場に根ざした
「実践型の人材育成・組織開発」を支援しています。

研修やコンサルティングで終わるのではなく、
現場で成果を出すための仕組みづくりと定着支援に力を入れています。

  • 経営理念に基づく人材育成計画の設計
  • 管理職・リーダー層の育成支援
  • 組織のエンゲージメント向上・離職防止
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単なるノウハウ提供ではなく、
経営者の想いに寄り添いながら、
会社全体が「人を育てる力」を持てるように伴走します。

もし、あなたの会社がいま、
「人が育たない」「次世代が育っていない」と感じているなら、
それは変化のチャンスです。

人が育てば、会社は強くなる。
そして、育成を文化に変えた会社こそ、
これからの時代に“選ばれる企業”になります。

人材育成・組織づくりに関するご相談は、
村上経営研究所までお気軽にお問い合わせください。

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