はじめに:いま、ここ、わたしの道場
「逃げたい」と思うこと、ありますよね。
それは決して弱さではなく、心からの大切なサインです。
けれど同時に、少しだけでも前に進みたい。
そう願っている自分がいることにも、気づいてあげてほしいのです。
中国・明代の思想家、王陽明が提唱した「事上磨練(じじょうまれん)」という言葉は、
「現実の中でこそ、人は磨かれる」という教え。
仕事、家庭、人間関係――
目の前の現実が、あなたを育てる「道場」だとしたら?
今この瞬間が、まさに自分を磨く時間だとしたら?
このブログでは、陽明学の「事上磨練」の視点から、
日常の中にある学びと成長のヒントをお届けします。
なぜ人は「嫌なこと」から逃げたくなるのか
人間には、本能的に「痛み」や「不快」から逃れようとする働きがあります。
心理学ではこれを“回避傾向”とも呼びます。
誰でも、苦手な相手と話すより、黙っていたくなる。
責任の重い仕事より、楽な作業を選びたくなる。
それは自然なことです。
でも、そこに留まっているだけでは、人生は変わっていきません。
変化や成長は、あえて「逃げずに向き合う」ときに起こるのです。
陽明学が教える「事上磨練」とは何か?
日常が学びの場であるという哲学
「事上磨練」とは、王陽明が説いた言葉であり、
「実際の出来事の中でこそ人は鍛えられ、磨かれていく」という思想です。
座学や理論だけでは、行動は変わりません。
行動し、失敗し、悩む中でこそ、本物の“知恵”が生まれるのです。
知行合一:知識は行動によって完成する
陽明学にはもうひとつ、重要な考え方があります。
それが「知行合一(ちこうごういつ)」です。
これは、「知ること(知)」と「行うこと(行)」を分けずに考えるという意味。
知識は、行動に移してこそ完成します。
だからこそ、学びは現実の中でこそ活かされるのです。
「逃げ道」があってもいい。でも、安易に逃げない
命や心を守る「逃げ」は必要な選択
誰にでも、限界を感じるときがあります。
心が折れそうなとき、無理に耐える必要はありません。
命や心を守る“逃げ道”は、人生において必要な安全装置です。
自分を守るために立ち止まることは、勇気ある判断です。
それでも、自分を成長させるのは「向き合う勇気」
ただし、安易な道ばかりを選び続けていては、自分の力は磨かれません。
ちょっとだけ不安な場所、
少しだけしんどい選択――
その先に、あなたの本当の成長が待っています。
現実の中にこそ、リーダーとしての学びがある
職場での葛藤も、家庭でのすれ違いも「道場」
陽明学が示す「事上磨練」は、特別な修行を意味するものではありません。
むしろ、日常こそが学びの場です。
部下との行き違い、家族との衝突、感情の波。
すべてが「心を磨く素材」なのです。
たかさんが伝えたい言葉、
「いま、ここ、わたしの道場」が、その本質を表しています。
苦手なことは、成長の先生になる
逃げたくなる出来事ほど、
私たちの感情や思考のくせをあぶり出します。
その中に、自分を成長させる「きっかけ」が眠っているのです。
今日からできる「事上磨練」の実践法
小さなチャレンジを積み重ねる
何も大きなことをする必要はありません。
ほんの少し、いつもなら避けていたことに向き合ってみる。
1分間だけ苦手な作業に取り組んでみる。
それだけで、心は少しずつしなやかになっていきます。
毎日の中に「道場」はある
今日という日も、あなたを磨いてくれる“場”です。
疲れたとき、迷ったとき、こう問いかけてみてください。
「いま、ここ、わたしの道場」
その言葉が、あなたの心を落ち着かせ、
背中をそっと押してくれるはずです。
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